不動産取引において

不動産取引において、通常問題となる取消事由としては、①契約当事者が未成年者等の制限行為能力者である場合、および②詐欺・強迫によって契約が締結された場合であり、無効事由としては、③契約当事者に錯誤があった場合です。契約当事者に関し、一つは未成年者であるため、一つは精神上の障害により判断能力が欠けていたり、これが不十分な者のために特別な法的保護が与えられています。これが制限行為能力者制度です。未成年者、ならびに、家庭裁判所により審判を受けた成年被後見人、被保佐人、および被補助人の四者が制限行為能力者に該当します。不動産取引の相手方がこの四者のいずれかである場合には、契約が後に取り消きれる可能性があります。以下では、この四者について述べて置きましょう。①未成年者満二○歳に達しない者が未成年者です(民法四条)。未成年者には、未成年である問、これを保護するものとして法定代理人が存在します。法定代理人には、親権者(父母)がなりますが、親権者がいない場合には後見人が裁判所によって選任されます。法定代理人は、未成年者の法律行為(契約等)について同意(許可)権を有し、また、未成年者の財産を管理し、その財産上の法律行為について未成年者を代理する権限を有します。未成年者が、法定代理人の同意を得ないで、たとえば祖父から贈与きれた不動産について売却をした場合には、未成年者および法定代理人がその取引を取り消すことができます(同五条)。ても代理することはできます)が、成年被後見人の居住用不動産の処分(売買、賃貸、抵当権の設定等)については、家庭裁判所の許可が必要です(民法八五九条の三)。③被保佐人「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者」については、本人や一定範囲の親族等の請求により家庭裁判所が「保佐開始の審判」をすることができます(民法二条)。保佐開始の審判を受けた者が「被保佐人」であり、この者には、家庭裁判所の選任した「保佐人」が保佐開始の審判と同時に付けられます(同一二条)。保佐人は、原則として、被保佐人の財産について、これを管理する権限も、財産上の法律行為を代理する権限(代理権)もありません。

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